帝王切開

お母さんが赤ちゃんのために手術で赤ちゃんを出産する方法です。

帝王切開になるケースは?

予定帝王切開

妊娠36週の妊娠健診時に手術前検査を行い妊娠38週ごろに手術を行います。

主なケース

  • 骨盤位(逆子)
  • 双子
  • 帝王切開の既往
  • 子宮手術の既往

過去に帝王切開や子宮の手術を受けられたことがある方は、子宮破裂の危険性が高くなりますので予定帝王切開を行います。

緊急帝王切開

赤ちゃんまたはお母さんの体に何か問題が起き、急いで赤ちゃんを取り出す必要がある場合に行います。

  • 遅延分娩
    お産が長引く状況です。リスクが高いと判断した場合は帝王切開に切り替えることがあります。
  • 胎児機能不全
    赤ちゃんの心拍モニターから赤ちゃんがきついと思われるサインが続く場合は帝王切開で早めに赤ちゃんを出してあげます。
  • 常位胎盤早期剥離
    赤ちゃんの出生前に胎盤が剥がれることです。母子共に危険な状態になることからすぐに赤ちゃんを取り出す必要があります。
  • 妊娠高血圧症候群
    経膣分娩中にお母さんの血圧が上昇すると帝王切開に切り替えることがあります。

手術の流れ

入院から手術前

【入院初日】
赤ちゃんとお母さんの健康状態の確認をします。
入院に際しての注意事項や書類を預かります。手術に向けて剃毛や手術に必要な物品の準備をします。
夜21時以降は食べたり飲んだりすることができません。

【入院当日】
朝から点滴を開始します。
手術着に着替えて弾性ストッキングという血栓予防のための靴下を履きます。

手術

手術時間は約1時間です。
執刀から5~10分前後で赤ちゃんが誕生します。

  1. 麻酔をします。
    背中に針を刺す脊椎麻酔という下半身麻酔で行います。
    痛みはとれますが触っている感触は残ります。意識があるので赤ちゃんの産声が聞くことができます。
  2. 下腹部の皮膚を縦か横に切開します。
    背中に針を刺す脊椎麻酔という下半身麻酔で行います。
    痛みはとれますが触っている感触は残ります。意識があるので赤ちゃんの産声が聞くことができます。
    【横切開】
    おへその下を水平に切ります。
    縦切開に比べて少し時間がかかり癒着を起こしやすいですが傷跡が目立ちにくい方法が横切開です。
    【縦切開】
    へその下から垂直に切ります。
    急いで赤ちゃんを取り出してあげないといけない場合はこの方向になることが多いです。
    前回の手術の傷がある場合は同じ部位を切開します。
  3. 子宮を切開して赤ちゃんを取り出します。
  4. 子宮とお腹の傷を手術用の解ける糸で縫合し閉じます。
  5. 手術終了後はレントゲンでお腹の中を確認し体を拭いてお部屋に戻ります。
    手術中でも赤ちゃんが元気に誕生しお母さんの状態が安定していれば早期母子接触ができます。
    赤ちゃんはお母さんと面会した後ご家族と面会し生後1日までは保育器内で観察します。
    手術後から退院までのスケジュールはお渡しした書類の看護パスをご覧ください。
入院中のスケジュール

新生児多呼吸について

バンザイする赤ちゃんのイラスト

帝王切開で生まれた赤ちゃんは経分娩で生まれた赤ちゃんに比べて呼吸障害が起こりやすいといわれています。
子宮内にいる赤ちゃんの肺には羊水が充満しています。経膣分娩では肺の羊水は狭い産道を通ってくる過程で外に絞り出されることが多いのですが、帝王切開で生まれてくる赤ちゃんは手術によりすぐに外に出てくるので肺に羊水がたまったままであることが多く呼吸障害を起こしやすいのです。
私たちスタッフは注意深く観察し、赤ちゃんが子宮外の生活に適応できるようにお手伝いします。
帝王切開でご出産した場合でも経膣分娩をした場合でも、赤ちゃんの発育や子育てに何か特別な変わりはありません。
ただし帝王切開は手術なので、傷の回復などの面でお母さんの身体に負担がかかることが考えられます。
出産後の体力回復を心がけ、子育ての問題は一人で抱え込まず周囲の人に協力してもらうことが大切です。

  • ご不明な点はなんでもスタッフにお聞きください。
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